すずらん通りパークレットプロジェクト2022
JOINT WORK
date
社会実験
所在地:山形県山形市香澄町
用途:パークレット
構造:木造
竣工:2022.08
プロジェクト期間:2022.08.14 - 2022.10.31
credit
担当:OF THE BOX 追沼翼
施工:株式会社オオバ東北支店
設置者:山形市
撮影:柏倉琉生
award
ソトノバアワード2022 <すずらん通りパークレットプロジェクト>実験のデザイン部門賞
公共空間活用の社会実験
2022年、山形県山形市すずらん通りにおいて、パークレットを設置する社会実験を実施。山形市が主体となり、全体のコンサルティングと調整は株式会社オオバ東北支店、企画・デザインは株式会社オボザボックスが担当した。
このプロジェクトでは、「居心地がよく歩きたくなるまちづくり」をテーマに、ホテルクラウンヒルズ前とリストランテバルシャンティ前の2箇所にパークレットを設置。商店街における新たな空間の活用方法を模索する社会実験として行われた。設置場所は沿道の飲食店やホテルの荷捌き車両が利用する路上駐車スペースであり、これらの運用を阻害しないよう工夫が求められた。そこで「車と共存するパークレット」というコンセプトを掲げ、交通の流れを妨げず、通りに滞留空間を創出する設計を行った。
また、時間帯に応じて変化する用途の柔軟性を持たせることも重視。昼間は荷捌きスペースとして利用される場所を、利用の少ない時間帯にはキッチンカーなどのモビリティビジネスの拠点として活用する可能性を視野に入れ、流動的に変化する商店街のサービスを生み出す可能性を示唆した。
この取り組みを通じ、すずらん通りが地域の人々にとって居心地の良い場所となり、新たなコミュニケーションや交流の場が広がることを目指した。そして何より、この社会実験は、今までまちづくりに関与してこなかった市民や事業者との新たな関係性を築くための一歩であり、未来のまちづくりの可能性を共に考えるための手段となる。こうした取り組みが継続されることで、地域に根ざした新たな公共空間のあり方が育まれ、持続的なまちづくりのアイデアが芽吹き、さらなる社会的価値の創出が期待される。